幕府にも献上される博多帯の和装

和装の基本となる帯には様々な種類があり、中でも博多帯は、幕府に献上する高級品となっていました。献上品の博多帯の柄は、華皿と、仏具の一つでもある独鈷というものを結合させた上で図案化した紋様となっていて、さらに孝行縞と親子縞という縞も配した豪華絢爛なものとなっています。幕府に献上する品物として選ばれたことによって献上博多織と呼ばれるようになっています。献上博多帯には様々な種類が存在しています。例えば、幅が九寸の名古屋帯である紋織献上博多帯や、幅が八寸の名古屋帯である平織献上博多帯、幅が四寸で平織と小袋の半巾献上博多帯、夏帯である紗献上博多帯などがあります。平織りの献上博多帯は、季節を問わず一年中締めることができるので、和装には欠かせない帯の一つとなります。

博多帯の特徴や重宝するシーズン

和装に欠かせない存在である博多帯は、緯糸を経糸が包み込むために、経糸だけが生地の表面に現れて、横に畝っている様子が際立つような仕上がりの経畝織りと呼ばれる織り方が特徴となっています。畝とは、ニットや、織物の表面に浮き出る盛り上がったように見える筋のことになります。およそ30本から60本ぐらいの細い糸を経糸に使用するので、ハリや、コシがあって、光沢感があり、生地の風合いが硬い仕上がりとなっています。そのために、しっかりと帯が締まってくれて、崩れにくいために、比較的締めやすい生地の帯とされています。そして、博多帯は、六月前後や、九月前後の季節が移り変わりつつある時期に重宝する帯となっています。博多帯の中でも幅が八寸になっている名古屋帯は、非常に締めやすいので着物を着て過ごすには非常に心地が良い帯になります。

結城紬に欠かせない博多帯に貼り付けられる証紙

博多織の製品には、必ず金証紙や、緑証紙、紫証紙、青証紙の中のどれかが貼り付けられて販売されています。金証紙が貼り付けられている製品は、経糸にも、緯糸にも本絹が使われています。かつては金証紙は、銀証紙と呼ばれていました。緑証紙が貼り付けられた製品は、経糸には本絹が使われ、緯糸には本絹とは異なる絹糸を使っています。紫証紙が貼り付けられた製品には、経糸にも、緯糸にも本絹とは異なる絹糸を使っています。青証紙が貼り付けられた製品には天然繊維や、合成繊維、化学繊維などといった絹糸とは異なる繊維が使われています。博多帯は、結城紬には欠かせない帯であるということができます。結城紬とは、茨城県の結城市や、栃木県の小山市の周辺の地域で生産している紬織物のことになります。糸にすることができなかった屑の繭を引き伸ばして綿状になった絹を使って手作業で紡いだものです。手くくりという手法で絣模様を染め上げて、腰のところで吊り下げる居座機で経糸を織ります。